« あたったぁ! | Main | めでたいねぇ♪その1 »

親切なクムジャさん

スクリーンであった「彼女」と、今さっきTVの中に居た「彼女」は本当に同一人物なのだろうか?

青龍賞主演女優賞受賞のイ・ヨンエ。

そしてやはりパク・チャヌク監督はただ者ではないです。

そんな2人が手を組んだのですから、やはりただ者の仕上がりなんかではない、とんでもない作品でした。本当はもっと重たくなってもおかしくないテーマを、何故かシニカルに描けるのは、監督の感性とそれに答えた女優の力量。またもや韓国映画の底力を見せつけられた感じがしました。

以下、ネタばれ込みの感想。

監督のメッセージ「復讐をすることに何の意味があるのだろうか?」。
「オールドボーイ」では15年間の復讐の果てに成し遂げてしまったら自ら命をも絶ってしまった。
クムジャは?目の前に復讐すべき相手がいても、自らの手で殺す事はなかった。「復讐をする」ことだけを思い、13年間という時間を費やしたのにもかかわらず、現実に向き合うと「夢」のワンシーンのようには行かなかった。
「復讐」を終えた人々が「Passing through an angel」の話をする。わが子を殺した男を殺して「子供が天使になった」って思うのは「自己満足」にしか思えない。
ラストシーンで白いケーキとジェニーを前に彼女は罪を犯す前の自分に戻りたいという気持ちはあっても、もう戻れはしない。どうやって生きていくのだろうか?
やはり「復讐」はむなしすぎる。

出獄後、イメージを変えるクムジャ。「親切はやめたの」というが、最後まで親切だったと思うよ。復讐の途中で気がつく次々の犯罪。その事実を知らせてしまうのは「余計なお世話」なのかもしれない。でもクムジャは事実を知らせた。そして、事実を知った者たちにチャンスを与えた。観る人によって捕らえ方は違うだろうけど「親切」と「余計なお世話」はまさに紙一重なんだと改めて認識した。

女優「イ・ヨンエ」にぞくっとしたのは、すでに死んでいるパクに2発の銃弾を打ち込んだあとの表情。今までのイ・ヨンエからは想像の出来ないあの表情は、今までの殻を破ったのではないか。

話の底にあるのは「復讐」。その元になっているのは「子供を奪われた家族の思い」。クムジャも命を奪われたわけではなかったけど、やはり子供を奪われた女。正直、悲しいニュースが立て続けにあった今の時期に観たのはまずかったかも。復讐を決意する家族の思いに否定的な感情がもてなくなってた。やっぱ、一番卑怯な犯罪だよね。

それにしても、スポットで出てくる俳優がすごい!おいらが気付いただけでもソン・ガンホ、カン・ヘジョン、ユ・ジテとそうそうたるメンバー。さすがパク・チャヌク。他にもたくさんいらっしゃるようですよ。

kumuja 渋谷アミューズCQNにて。イ・ヨンエ直筆(と思われる)サイン入りポスターもありました。
最後に
「青龍賞受賞おめでとう!ヨンエさん」

|

« あたったぁ! | Main | めでたいねぇ♪その1 »

「映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

見ましたね。怖かったでしょ・・・。主演女優賞とるだけの事はあるよね。今までのイメージ一新してましたヨンエ氏。
物語は残酷なんだけど、映像が綺麗というか独特というか・・・。
それにカメオ出演の豪華さだけでなく、前の二作とセットで色々と楽しめた映画でした。

Posted by: カオリン | December 04, 2005 at 08:09 PM

カオリンさま
イ・ヨンエssi、改めてすごい女優さんだと思いましたわ。
内容は残酷だしグロいけど、それを感じさせないのはチャヌクさんの感性だと思いましょ。
「オールドボーイ」しか見てなかったのであわてて「復讐者に哀れみを」を借りてきてしまいました^^

Posted by: うりうり | December 04, 2005 at 09:42 PM

今日、TSUTAYAでDVD借りようかと思ったんだけど、観る時間がないことに気づき、辞めちゃいました。
年末に時間を作ってみようと思います。

イ・ヨンエさんの映画は、『JSA』と『ラストプレゼント』を観ましたが、今回のイ・ヨンエさんはすごいと思いました。パク・チャヌク監督が絶賛している女優さんですから…。

Posted by: mallow | December 04, 2005 at 10:31 PM

こんにちは、うりうりさん。

最近嫌な事件が続きますね。
一番弱いところにいくのは、ほんとにヤですね。
しかもこの映画もそうだけど、やる方の動機ってバカっぽいことが多い。

クムジャさんはもう親切が身についてましたね。
ほんとにご親切、と思いました。

ユ・ジテの出方はなんか似合ってた。あそこもウケました。
渋谷アミューズCQNって駅近でわりに便利ですよね。
私もときどき行きますよん。


Posted by: ヒス・テリー | December 04, 2005 at 11:50 PM

mallowさま
何故かオンニーにところにはTBいってくれない(T_T)
「復讐者に憐れみを」は未見だったので、帰りに借りて見ました。
2作連続は少しハードだったわ^^;
パク・チャヌク監督が
「他人の作品に出ているのを見て是非使いたいと思った」
と言う程のイ・ヨンエさん。
改めて凄さを思い知らされましたね。

Posted by: うりうり | December 05, 2005 at 03:46 PM

ヒス・テリーさま
やっと見てきましたよ。
「クミコさん」ぢゃなかった「クムジャさん」

ユ・ジテがものの10秒も出ていないというゴージャスな出演。
ウォンモ君はクムジャを許せたのかな~。
やっぱりチャヌクさんも親切だよ。
普通ならあんな「親切」は思い浮かばんもの・・・ね。

Posted by: うりうり | December 05, 2005 at 03:55 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/89443/7453606

Listed below are links to weblogs that reference 親切なクムジャさん:

» 親切なクムジャさん [ネタバレ映画館]
 伝道師の吉幾三はどうなったんだ?!そして、ビー玉もいいけど、ガッちゃんは?!  13年もの間、無実の罪で服役したイ・クムジャ。刑務所内では顔が光っていたり、北の囚人に優しくしたり、魔女に復讐したり、腎臓移植したり・・・これはもう「親切」という言葉で表現できるものではない!わけがわからないほどの慈愛の精神に満ちた聖女のような女性だ。ということで、囚人仲間たちからも尊敬され、出所後に復讐しやすくなったクムジャさん。仲間�... [Read More]

Tracked on December 04, 2005 at 02:38 AM

» 親切なクムジャさん(完璧な人間など、いないんだ・・・) [カオリン&チョチョリンの親育て・子育て]
パク・チャヌク監督復讐三部作(『復讐者に哀れみを』・『オールドボーイ』・『親切なクムジャさん』)の最終章として作られたこの作品。空気のような女性と言われ、日本でも『チャングムの誓い』で人気を得ているイ・ヨンエ主演ということで、撮影前から話題性があり、イ・ヨンエのイメージを180度変化させる作品として韓国でも注目されていましたが、確かに彼女の演技の幅を一回り広げる作品になってましたね。 映像もチャヌクワールドならではの雰囲�... [Read More]

Tracked on December 04, 2005 at 08:10 PM

» 『親切なクムジャさん』観ました [Happy smile cafe]
先週の土曜日にゆうん~さんと一緒に『親切なクムジャさん』を観てきました。公式サイ [Read More]

Tracked on December 04, 2005 at 10:32 PM

» 「親切なクムジャさん」パク・チャヌク/監督 [スチャラカランナーの日々]
 親切なクムジャさん観てきました。  監督は「JSA」「オールドボーイ」の監督も努めたパク・チャヌク監督。  ストーリーは、親切で天使のようだといわれた女囚クムジャさんが13年の刑期を終えて出所した。しかしその親切さの裏には綿密な計略があり・・・、という話です。  予告編しか予備知識は例によってなかったわけですが、単純な復讐譚かとおもっていましたが、親切の裏側を描き復讐を描くだけ�... [Read More]

Tracked on December 04, 2005 at 10:59 PM

» 「親切なクムジャさん」=親切なチャヌクさん [電影迷宮・2005!!]
殺人に上下もないだろうけれど、最も卑劣と人の感じる子供の殺人。 その復讐、贖罪の物語。 復讐3部作の最後の映画。イ・ヨンエの復讐なので、どこか全然怖くない(笑)。 過去の2作品(特に「復讐〜」)を知る私は決して油断してはならないと知っていたが。 例によって非常にユーモラスでアイロニカルな語り口なので、へんな話?ながらニヤニヤしてしまう。 映画館が暗くてよかった・・・。 客の入りも悪いし(土曜午後、多分初日なのに約5人・・・・・... [Read More]

Tracked on December 04, 2005 at 11:51 PM

» ジャンル別の映画情報館! [フィルムナビ〔film-navi〕]
おばけどっとこむ様、親切なクムジャさんのトラックバックありがとうございました。フィルムナビでは、さまざまな映画のクチコミ情報を集めています。映画の感想などをブログに書かれた時には、ぜひまたトラックバックして下さい。お待ちしております!... [Read More]

Tracked on December 06, 2005 at 02:30 AM

» 親切なクムジャさん [あんと夢子のス・テ・キ!なダイエットライフ]
豆腐のような白い心で2度と罪を犯さないように 刑務所から出所した女達は豆腐を食べるらしい。{/silver/} クムジャは余計なお世話ですと差し出された豆腐のお皿を払いのける。 そして顔を上げ前に向って毅然と歩き出した。{/face_ang/} こんな、一本筋の通った強くてタフな女性、見たことありません。 刑務所では優しい笑顔を絶やさず、親切なクムジャさんと慕われていました。{/face_heart/} 元ス... [Read More]

Tracked on December 06, 2005 at 10:43 PM

» 「親切なクムジャさん」イ・ヨンエの代表作! [soramove]
「親切なクムジャさん」★★★☆ イ・ヨンエ、チェ・ミンシク主演 パク・チャヌク監督、韓国、2005年 自分の娘を守るため、 誘拐、殺人の身代わりで 13年の刑を終えた主人公。 彼女は復讐を誓った。 白く美しい顔に 真っ赤なアイシャドウを塗り、 服役中に...... [Read More]

Tracked on December 13, 2005 at 10:06 PM

» 親切なクムジャさん [きょうのできごと…http://littleblue.chu.jp/]
パク・チャヌク監督、復讐三部作のラスト「親切なクムジャさん」。 韓国ではこの映画でクムジャさんが笑顔で発した台詞 「早く死んでね」などが、流行語になるほどの流行りよう。 また主演の韓国の国民的美人女優イ・ヨンエが、今までの 清純なイメージを捨て復讐にも...... [Read More]

Tracked on December 14, 2005 at 03:33 PM

» 親切なクムジャさん [泥海ニ爆ゼル]
「親切なクムジャさん」 パク・チャヌク監督作品の復讐三部作の第三作目。「オールド・ボーイ」「復讐者に憐みを」で人間の陰惨にも苛烈な本性をむき出しにした。今回は、子を奪われ、殺人の濡れ衣を着せられ13年も入獄した女性の復讐劇を紡ぎだす。主演はイ・ヨンエ。「宮廷女官 チャングムの誓い」「JSA」に出演。 多くの映画評では「三部作の中で最も美しく、残酷な作品」と言われているんだっけ? この作品が「美しい」と評されている理由には、まず復讐の仕立て方にクムジャのこだわりが見えるところでしょうか。... [Read More]

Tracked on January 09, 2006 at 01:15 AM

» 【劇場鑑賞19】親切なクムジャさん [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
愛を奪われた 哀しみの天使 娘を奪われた美しい母の悲しく切ない復讐・・・ 涙あふれる愛と再生のドラマ 最後の復讐が、 一番哀しく、 美しい。 「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」に続くパク・チャヌク監督の“復讐3部作”完結編だそうで...... [Read More]

Tracked on March 04, 2006 at 12:28 AM

« あたったぁ! | Main | めでたいねぇ♪その1 »